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教育の国際デーと心理学の関係

2025.1.24
  • 教育心理学
  • 心理学

教育の国際デーと心理学には、どのような関係があるのでしょうか

【目次】

1月24日は「教育の国際デー」

心理学と教育について

学校心理学とは

まとめ

 

1月24日は「教育の国際デー」

日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。1月24日は教育の国際デーに制定されています。これは2018年12月の国連総会で制定されたものです。教育の国際デーは平和と発展のための教育の役割を称え、包摂的で公平な質の高い教育を確保し、全ての人々の生涯学習の機会を促進することが目的としています。これは2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)の中で定められています。

また、教育の国際デーでは、教育に関わる全ての関係者が教育の普及に向けて取り組みを一層強化することの必要性について改めて強調されています。現在、サハラ砂漠以南のアフリカを中心としてた地域において、世界には2億人以上の子ども達が学校に通うことができない状態にあります。公正で良質な教育とは、男女平等・貧困・暴力の撲滅・健康の改善・経済の発展・持続可能な環境の促進など、あらゆる社会課題の解決に貢献すると考えられています。

では、教育の国際デーと心理学にはどのような関係があるのでしょうか。

 

心理学と教育について

心理学の分野には、教育心理学という領域があります。従来の教育心理学では、発達・教授・学習・パーソナリティ(人格)・適応・測定・評価が主な領域とされてきました。しかし、近年では集団・人間関係や臨床・障害などに関する研究領域も重要視されるようになってきました。また、教育心理学から派生した分野として、学校心理学というものがあります。学校心理学とは、学校における児童・生徒の学習面と適応面に焦点を当て、学校教育場面において、心理学上の専門的な援助を行うための実践体系です。主に学校カウンセラー(スクールカウンセラー)や学校心理学者などの専門家が学校で行うカウンセリングやガイダンスあるいはコンサルテーションを行うための心理学的な知見が学校心理学なのです。学校心理学では、児童・生徒の精神衛生や適応の問題に焦点を当てる一方で、学習上の問題にも焦点を当てています。そのため、疾患の治療・支援を中心とした臨床心理学やカウンセリングなど焦点をより広い領域での専門的な心理学的援助を目的としています。

また、教育心理学は統制された条件のもとで研究を実施し、その結果に基づいた対応策を構築していくことを目的としていますが、学校心理学では、学校の現実的な諸状況のもとで起こっている心理学的な諸問題について、直接的な解決を目的としています。この点で、学校心理学は教育心理学より実際的かつ実践的な学問体系を志向しているのです。

 

学校心理学とは

具体的な学校心理学の内容は、主として3分野から構成されています。1つは児童・生徒の発達や問題に関する心理学的基礎分野です。児童期・青年期の発達や学習、障害、行動などの各種理論によって構成されています。もう1つは、児童・生徒、教師など教育スタッフ、保護者に対する心理教育サービス(スクールカウンセリング制度)に関する分野です。心理教育アセスメント、カウンセリング、コンサルテーション、ガイダンスなどの各種理論と技法で構成されています。最後の1つは、学校教育に関する分野であり、教授法や治療教育法、学校組織論、教育行政学、学校経営論、障害児教育学などの学校領域の各種理論と技法から構成されています。これら3分野が示すように、学校の実際的な諸問題に対応できるような実践的な理論と技法に関する領域が学校心理学では重視されているのです。

 

まとめ

教育心理学については、こころ検定3級の第3章で概観していますので、興味・関心のある方は、是非、勉強してみていただければと思います。


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部 「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。