コラム

活用

サイフの日と心理学の関係

2026.3.12
  • こころ検定1級
  • 経済心理学・行動経済学

サイフの日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか

【目次】

3月12日は「サイフの日」

不安を減らすお金の使い方

嫌な時間を減らす支出

まとめ

 

3月12日は「サイフの日」

日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。312日は「サイフの日」に制定されています。これはレディースやメンズのバッグ、サイフなどのライセンスブランド商品の企画・販売を手がけるスタイル株式会社が制定したものです。日付の由来は買い換え需要の多い時期である3月にサイフ売り場の活性化を図ることが目的として「サ(3)イ(1)フ(2)」の語呂合わせから来ています。この日を中心に、一般社団法人・日本ハンドバッグ協会(現:日本バッグ協会)では全国の百貨店・専門店などのお財布売場において、豪華賞品が当たるキャンペーンなどが実施されています。では、サイフに入れているお金と心理学には、どのような関係があるのでしょうか。

不安を減らすお金の使い方

お金と心理学の関係については、経済心理学の分野で様々な研究が進められています。たとえば、私たちは幸福感を感じるかどうかのポイントとして、お金や経済的裕福さがあります。経済心理学の研究の結果、年収が約7.5万ドル(約1,100万円)を超えると幸福度は頭打ちになるという理論・仮説があります。しかし、最新の研究によって、ほとんどの人の幸福度は年収50万ドル(約7,500万円)程度まで上昇し続けることが確認されています。

ただし、元々、精神的な健康度が低い人の場合、一定の年収(約1,500万円前後)で幸福度が頭打ちになるということも判明しています。従って、お金で解決することが困難な悩みを抱えていて、メンタルヘルスに問題がある場合、増収の効果は限定的になってしまうということになります。

そして、前述の研究成果は海外のものでしたが、日本でも同じ現象があるのかについても検討されています。日本では内閣府や慶應義塾大学が実施した最新の研究において、世帯年収1,200万円〜1,500万円付近で幸福感が最も高まる傾向が認められています。逆にそれ以上の世帯年収になっても、幸福感は直線的に高くなることはないことが判明しています。ただし、幸福感はあまり上昇しないものの、生活の満足度は1,500万円以上になっても、緩やかに上昇し続けることが判明しています。

嫌な時間を減らす支出

お金と心理学の研究において、お金と時間の関係も非常に重要なポイントとなります。時間的なゆとりをお金で買うという「タイム・アフルエンス」という概念が近年、注目を集めています。これは幸福度に大きな影響を及ぼすのはお金そのものではなく、それによって得られる時間のゆとりであるというものです。そこで注目されるのが、家事代行やUber Eats(ウーバーイーツ)、家賃は高いが徒歩で職場に通勤できる場所への引っ越しなどです。これらは嫌な時間を減らし、自由な時間を増やすことにお金を使うという行為になります。そして、このような時間のゆとりをお金と引き換えに手に入れるという行為は、高級品を買うことなどよりも、タイム・アフルエンスの考え方に沿った行動だと考えられます。

最近の経済心理学の研究ではお金はポジティブな要素を増加させるという側面よりも、ネガティブな要素を減らすという要素の方が注目されています。これはストレスについても、同様の現象が認められることが判明しています。たとえば、急に雨が降って来たので、お金はかかるが気軽にタクシー移動をした、急な懇親会の予定が入り出費はかさむがちゃんと参加したなどのように、不測の事態をお金の力で上手くコントロールすることができると、メンタル面は安定すると考えられます。

また、金銭的な不安を抱えている状態では、一時的にIQ13ポイント程度低下するという研究報告もあります。これは金銭面の不安やストレスが認知機能や情報処理能力に悪影響を与えていることを示唆しています。その結果、13ポイントのダウンという、一晩徹夜したのと同等の知的能力の低下を引き起こしてしまうわけです。さらに、合理的な判断ができなくなり、リスクの高い行動をすることで、ますます経済的に困窮し、知的能力が低下し続けるという、負のループから抜け出せなくなってしまう可能性があります。

まとめ

このように、心理学はお金や経済についても様々な角度から研究しています。

 


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部 「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。