こころ検定は”心理学の能力を測る検定です”

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こころ検定(文部科学省後援)の難易度や合格率はどうなの? 

こころ検定(文部科学省後援)の内容、そして、難易度や合格率はどのようなものなのでしょうか。 

こころ検定って理系?文系?

 こころ検定は心理学に関する検定であり、文部科学省の後援を受けている検定です。
では、こころ検定のメインとなっている心理学とは、そもそもどんな学問分野なのでしょうか。 

そもそも心理学は何系?

心理カウンセラーを目指す方や、心理専門職を目指す方が大学で進学するのが心理学科・心理学部です。
では、大学の心理学専攻とは、文系・理系という区分で考えると、どのような位置づけになるのでしょうか。

一般的に文系の学部としては文学部・教育学部・社会学部・法学部・経済学部などがあります。
理系の学部には理学部・工学部・農学部・薬学部などがあります。
また、医学部は医系として別扱いになる場合もありますが、文系・理系の二分法で考える場合は理系に含められるものとなります。

では、心理学専攻(心理学科・心理学部)は、どのような位置づけになるのでしょうか。
日本においては、心理学専攻は文学部や教育学部、社会学部などの文系の学部に含まれることが非常に多いです。
また、最近では人間科学部などのような、少し特殊な位置づけの学問領域に含まれることも増えています。

一方で、世界に目を向けると、欧米では心理学専攻は理系の学部として扱われている場合が多いです。そのため、心理学、特に基礎心理学は「文系」というイメージが一般的です。
しかし、基礎的な心理学は人間の脳や神経、情報処理、行動のメカニズム、バイタルデータなどについて扱うことが多く、むしろ、理系的な内容が多いです。
そのため、基礎的な心理学を勉強する過程で「イメージと違う」「難しい」「自分が勉強したいこととズレている」と感じてしまう方も少なからず、いらっしゃるかと思います。

特に心理カウンセラーになろうと考えている方からすると、基礎的な心理学の内容は「カウンセリングに関係ない」「なんで、こんなことを勉強する必要があるのか」などのようにネガティブな感情を抱いてしまいがちです。
これは、大学で心理カウンセラーを目指している学生も感じていることなので、検定を受検するということを目指す方も同じように感じてしまう可能性は高いでしょう。

しかし、心理カウンセリングを含む、応用的な心理学の内容は基礎的な心理学の内容の正確な理解なくして成立しないので、基礎的な心理学を学ぶことは、心理カウンセラーを目指している、社会で役立つ応用的な知識を身につけたい、という方々にとっても必須なのです。 

心理学科の1年生が必修で履修することになる授業の1つに心理統計学というものがあります。
これは「統計学」という言葉が示す通り、完全な数学の授業です。
しかし、この授業は全国どこの大学の心理学科でも必修の授業であり、この授業で単位が取れなければ、心理カウンセラーになることはできないのです。 

このように、心理学は文系の学部に存在しているものの、勉強する内容的には理系の要素も豊富に含まれているという少し不思議な位置づけにあるのです。 

心理学にはどんな領域があるの?

では、そんな文系と理系の両方の要素が合わさった心理学には、具体的にどのような領域があるのでしょうか。
心理学は大きく分けて、基礎心理学・応用心理学・臨床心理学という3つにわけることができます。 

代表的な基礎心理学の分野として、学習心理学・認知心理学・生理心理学・知覚心理学・社会心理学・感情心理学・発達心理学・パーソナリティ心理学・心理統計学などがあります。

一方で、応用分野には、臨床心理学、健康心理学、産業・組織心理学、教育心理学、家族心理学、学校心理学、経済心理学、犯罪心理学、福祉心理学、コミュニティ心理学などがあります。
そして、この応用分野の中の臨床心理学において、心理カウンセリング、心理アセスメント、心理療法、心理検査法などの分野が含まれています。 

では、それぞれの領域について、簡単に解説していきたいと思います。

学習心理学は行動や反応について研究する分野であり、新たな行動の獲得や問題行動への消去、行動療法などとの関連が深い分野です。

認知心理学は記憶・思考・判断・評価などの認知機能や情報処理機能について研究する分野です。

生理心理学は主に脳や神経とストレスの関係、睡眠などを中心に、身体と心の関係を研究する分野です。

知覚心理学は目(視覚)・耳(聴覚)・鼻(嗅覚)・舌(味覚)・皮膚(触覚)という5感に関する心理的過程を研究する分野です。

社会心理学は、個人ではなく集団の心理に関する分野で、集団意思決定・リーダーシップ・流言(うわさ)などについて研究しています。

感情心理学は人間の感情に関する分野で、表情と感情の関係やモチベーションなどについて研究しています。

発達心理学は人間の精神発達について、赤ちゃんから高齢者に至るまで人間の生涯全てを対象として研究する分野です。

パーソナリティ心理学は人間の性格を対象とする分野で、性格検査の開発や性格と感情や行動などについて研究しています。

心理統計学では、心理学に関する様々なデータについて、統計学的な分析を実施し、データ間の差に「科学的に意味があるか?」を検討しています。

臨床心理学では、心理カウンセリング・心理アセスメント・心理療法・メンタルヘルスについて研究する分野で、精神疾患の治療・支援・早期発見などに役立てられています。

健康心理学は、ストレスやメンタルヘルスについて研究する分野で、精神疾患の予防やストレスの軽減などに役立てられています。

産業・組織心理学は、仕事における採用・配属・評価・リーダーシップ・ストレスなどについて研究する分野で、組織マネジメントや職場環境改善、従業員のストレスチェック、健康経営などに役立てられています。

教育心理学は学校における授業の方法、テストの作成、成績評価などについて研究する分野で、学校などの教育機関での活動全般に役立てられています。

家族心理学は親子関係・夫婦関係などの家族の心理や精神的発達について研究する分野で、家族や家庭を良好に維持することに役立てられています。

学校心理学は教育心理学の応用的な分野であり、スクールカウンセラーの活動などに役立てられています。

経済心理学は人間の経済活動全般やお金が関わらない利益・損失などについて研究する分野で、消費者行動や企業経営などにおいて役立てられています。

犯罪心理学は犯罪行動の分析から、犯罪の予防や犯罪者の逮捕、法的な矯正などについて研究する分野で、犯罪という社会問題の改善・解決に役立てられています。

福祉心理学は介護福祉関連全般に関する心理的な要素を研究する分野で、介護福祉業界での活動に役立てられています。

コミュニティ心理学は心理学における他職種連携や地域コミュニティでの活動、コンサルテーションやコラボレーションについて研究する分野で、スクールカウンセラーの活動など心理専門職が他の専門職との円滑な連携に役立てられています。 

では、こころ検定は何系?

では、こころ検定は文系と理系では、どちらの要素が強いのでしょうか。
こころ検定で出題される問題は全て選択式であり、CBT形式(パソコンの画面上に問題が表示され、マウスクリックで正解を選ぶ)となっています。
従って、記述や論述、計算問題などはないため、非常に文系的な試験形式となっています。

また、心理学の中でも特に数学的な内容である心理統計学については、こころ検定の中でその要素が含まれている部分があるものの、そこまで比重は多くありません。
また、大学・大学院の試験などでは、実際にデータを分析させるような問題も出題されますが、こころ検定では、そういった形式の問題は出題されません。
このように、こころ検定は出題内容も理系的な要素は少ないように思えます。 

 

ただし、こころ検定では「数学的な要素」は少ないものの、こころ検定4級やこころ検定2級(メンタルケア心理士)では、生理心理学・認知心理学・知覚心理学などの「生物学・化学」の要素が含まれています。そのため、これらの内容については理系的な要素が強く、数学や算数の要素はないものの、中学・高校の理科や生物・化学の授業の内容に近いといえるでしょう。 

 このように、こころ検定は出題形式的にも出題内容的にも文系的ではありますが、理系的な要素も少なくはないので、大学・大学院における心理学専攻と共通する部分が多いかと考えられます。 

こころ検定の学習領域は?

 こころ検定は全部で4つの級で構成されています。
4級と3級は基礎心理学の内容を多く、基礎教養としての心理学を学ぶものとなっています。
従って、こころ検定4級とこころ検定3級は心理学の初学者向けといえるでしょう。
なお、こころ検定4級とこころ検定3級は便宜上、級の数字は異なるものの、こころ検定4級よりもこころ検定3級の方が難易度が高い、というようなことはありません。
ただし、こころ検定4級は「自分自身の心について理解を深める」というコンセプトであり、こころ検定3級は「自分自身の心を成長させる」というコンセプトという、コンセプトの違いがあります。 

 こころ検定2級(メンタルケア心理士)とこころ検定1級(メンタルケア心理専門士)は、3級・4級よりも難易度が上がります。
そして、カリキュラム的にも基礎教養から、他者支援のための専門知識へとレベルが上がっています。こころ検定2級(メンタルケア心理士)とこころ検定1級(メンタルケア心理専門士)は心理カウンセラーを目指す人のための検定というニュアンスもあるので、自分自身の興味・関心という目的だけでなく、他者のメンタルヘルスを改善・回復させ、心理的な支援を実施するという目的が含まれてくるわけです。 

4級で学習心理学・認知心理学・生理心理学・知覚心理学・社会心理学・感情心理学という6つの基礎心理学と知能分野の合計7分野でカリキュラムが構成されています。
3級では、発達心理学・パーソナリティ心理学という2つの基礎心理学と教育心理学・健康心理学・検査学という3つの応用心理学の合計5分野でカリキュラムが構成されています。 

 こころ検定2級(メンタルケア心理士)と1級は、心理カウンセラーとしての知識・技能を身につけるためのカリキュラムとなっています。2級では基礎心理学の内容に加えて、臨床心理学(心理カウンセリング・心理療法)などの応用心理学、そして、精神医学や解剖生理学などの分野が含まれています。1級では、2級と同じく基礎心理学の分野に加えて、産業・組織心理学、家族心理学、コミュニティ心理学などの応用心理学、そして、臨床心理学、精神医学などの分野が含まれています。 

心理学の初学者向け勉強法とは?: 

 ここまで解説してきたとおり、心理学は文系・理系の両方の要素が合わさった分野になっています。そして、こころ検定も若干、文系的な要素が強いものの、理系的な要素も少なからず含まれています。そして、こころ検定2級(メンタルケア心理士)とこころ検定1級(メンタルケア心理専門士)は、より難易度が高い内容となっており、医学的な要素も含まれています。では、心理学の初学者の方は、どんな勉強をして、受験の合格を目指せばいいのでしょうか。 

 初学者の方にまず理解をしていただきたいのは、心理学に対する固定観念を捨てた方がいいということです。多くの方々は、心理学に対するステレオタイプなイメージとして、どうしても「カウンセリング」や「メンタルケア」、そして「文系」などがあるかと思います。しかし、実際には基礎心理学・応用心理学などの知識が十分に備わっていないと、さらなる応用である臨床心理学を学んでも理解することが難しいでしょう。心理カウンセリングや心理療法、メンタルケア、メンタルヘルスは心理学の非常に応用的な領域なので、基礎的な心理学の知識はとても重要なのです。そこで、初学者の方が陥りがちになるのは、いざ勉強を始めてみると、自分が抱いていた「心理学」のイメージと、実際の公式テキストに掲載されている内容に大きな「ズレ」を感じてしまうことになりがちです。そうなると、勉強へのモチベーションが下がってしまい、検定の合格も遠くなってしまいます。 

 心理学は現状、日本において中学や高校などの授業の科目には含まれていません。こころ検定は一部の高校で授業の一環として実施されているところもありますが、それはあくまで通常授業とは別枠になります。いわゆる、国語・算数・理科・社会・英語などの科目とは異なるものです。つまり、心理学の初学者の方は「自分が全く勉強したことのない、これまでに触れたことのない、全く新しい領域」というように捉えておく方が良いと考えられます。その方が、誤解も少なく、新鮮な気持ちで勉強に取り組むことができるでしょう。 

 次により具体的な勉強方法ですが、こころ検定には各級に公式テキストが存在しています。全ての級で公式テキストに掲載されている内容からのみ、試験問題が出題されるというルールがあります。4級と3級は、それぞれ公式テキストは1冊ずつ、2級は3冊、1級は2級の3冊に加えて、さらに5冊の合計8冊で構成されています。初学者の方は、まずは新鮮な気持ちで「初めて心理学に触れる」という感覚を大事にしながら、公式テキストをまず一通り読むのが良いでしょう。そして、2回目にしっかりと学習する・知識を身につけるという感覚で、全てのテキストをしっかりと読み込みます。そして、3回目には、いよいよ試験対策を意識して、自分があまり覚えられていない部分や、頭の中で整理できていない部分を明確にし、苦手部分を克服していくために、改めて公式テキストを読み込みます。これまでに、こころ検定に合格された方の多くが、このように公式テキストを少なくとも3回は読み込むようにしているということが分かっています。これは合格への近道とはならないものの、初学者の方にはまず、このように公式テキストを読み込むことで、知識を定着させるのが、合格への王道ではないかと考えられます。 

こころ検定は⺠間の資格ではあるものの、文部科学省の後援を受けている学術的な検定です。
合格の難易度としては、こころ検定では星4つの数でイメージを出しており、★★★★は4級、★★★は3級、★★は2級、★は1級で表されています。

では、合格率としては大体どのくらいなのでしょうか。
4級・3級は60%〜70%程度の合格率イメージでしょう。
なお、合格基準は3級、4級は100点満点中70点獲得、1級1次試験、2級は正答率70%以上獲得できれば、合格できるというものです。
2級は多少難易度が上がり、合格率は50%〜60%程度の合格率イメージでしょう。
そして、1級に関しては、2回の試験をクリアしなければなりません。筆記の1次試験はCBT試験での受験で、50%〜60%程度の合格率イメージです。
そして、1次試験合格者は2次試験である面接試験にも合格しなければなりません。
その合格率イメージはかなり回によっても幅がありますが、30%程度の合格率イメージの場合もあります。
心理学の初学者の方には、こころ検定2級(メンタルケア心理士)やこころ検定1級(メンタルケア心理専門士)にチャレンジするよりも、まずは、こころ検定4級や3級から基礎的な心理学を勉強してみるのがいいのではないかと思います。
そして、新鮮な気持ちで「心理学」というものに向かい、まずは興味・関心を持って公式テキストを読んでみるということからスタートするのがいいのではないかと思います。

 いかがだったでしょうか。このコラムを通じて、心理学とは何か、こころ検定では何かということを知っていただければ幸いです。そして、興味・関心を持った方は、是非、こころ検定の受験を考えてみていただければと思います。 


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部
「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

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