こころ検定は”心理学の能力を測る検定です”

  1. コラム
  2. 589 view

こころ検定(文部科学省後援)を独学で目指したとしたら 

こころ検定受検勉強とその対策とは? 

こころ検定は基本的に公式テキストに掲載されている内容から問題が出題されます。そのため、合格のための対策としては、まずは公式テキスト読み込むということが挙げられます。では、より具体的には、どのような勉強方法があるのでしょうか。 

こころ検定受検勉強 その1(一般的)は?

こころ検定の受験をするために勉強する際に、特に初学者の方にとって重要なことがあります。
それは、心理学に対する固定観念を捨てた方がいいということです。
多くの方々は、心理学に対するステレオタイプなイメージとして、どうしても「カウンセリング」や「メンタルケア」、そして「文系」などがあるかと思います。
しかし、実際には基礎心理学・応用心理学などの知識が十分に備わっていないと、さらなる応用である臨床心理学を学んでも理解することが難しいでしょう。
心理カウンセリングや心理療法、メンタルケア、メンタルヘルスは心理学の非常に応用的な領域なので、基礎的な心理学の知識はとても重要なのです。
そこで、初学者の方が陥りがちになるのは、いざ勉強を始めてみると、自分が抱いていた「心理学」のイメージと、実際の公式テキストに掲載されている内容に大きな「ズレ」を感じてしまうことになりがちです。
そうなると、勉強へのモチベーションが下がってしまい、検定の合格も遠くなってしまいます。
心理学は現状、日本において中学や高校などの授業の科目には含まれていません。
こころ検定は一部の高校で授業の一環として実施されているところもありますが、それはあくまで通常授業とは別枠になります。
いわゆる、国語・算数・理科・社会・英語などの科目とは異なるものです。
つまり、心理学の初学者の方は「自分が全く勉強したことのない、これまでに触れたことのない、全く新しい領域」というように捉えておく方が良いと考えられます。
その方が、誤解も少なく、新鮮な気持ちで勉強に取り組むことができるでしょう。 

全く新しい領域について初めて独学で勉強するのですから、分からないことが多かったり、なかなか覚えられなかったりするのは仕方のないことです。
しかし、心理学に関するステレオタイプなイメージがあると、実際の公式テキストに掲載されている内容との「ズレ」から、「全然覚えられない」・「自分は物覚えが悪い」・「自分には向いていないのでは?」などとネガティブに考えてしまいがちです。そうなってしまうと、勉強へのモチベーションも下がってしまうでしょう。
なので、心理学への固定観念的なイメージは一旦捨てて、ゼロから新しい知識を身につけるという姿勢を大事にするのが良いのではないかと考えられます。 

こころ検定受検勉強 その2(心理学学習経験者)は?

既に心理学に関する体系的な勉強をされている方は、初学者向けのこころ検定4級やこころ検定3級については「腕試し」や「カンを取り戻す」という意味で受検してみてもいいかもしれません。
その上で、体系的に勉強しても、取りこぼしてしまっている領域や、苦手分野を明確にするのが良いでしょう。 

そして、心理学を体系的に勉強したことがある方は、こころ検定2級(メンタルケア心理士)やこころ検定1級(メンタルケア心理専門士)などの、よりレベルの高い検定を受検することをおすすめします。
2級と1級は他者支援のための知識を身につけることができ、心理カウンセラーを目指す方にもおすすめの検定です。
しかし、その分、難易度も高く、心理学以外の分野からも問題が出題されます。 

こころ検定2級(メンタルケア心理士)とこころ検定1級(メンタルケア心理専門士)では、解剖生理学や精神医学、薬理学などの問題も出題されます。
これらの内容は、心理カウンセラーの国家資格である公認心理師のカリキュラムにも含まれているものであり、心理カウンセラーや心理支援職、メンタルケアの専門家を目指す方には必須の知識であるといえるでしょう。
しかし、特に解剖生理学と薬理学は理系的な要素が非常に強いので、心理学を体系的に学んだ経験がある方にとっても、かなり難しい内容となるのではないかと考えられます。
そこで、解剖生理学と薬理学については、それぞれ有効な勉強方法を解説していきたいと思います。 

解剖生理学では、染色体・遺伝子・栄養素・ストレスと身体の関係性・組織・器官・消化器系・呼吸器系・循環器系・泌尿器系・生殖器系・運動器系・内分泌系・感覚器系・神経系・薬理学などについて勉強します。
これらの内容は身体各部に分けて、公式テキストに記載されており、それぞれの機能や特徴について、正確に理解する必要があります。
しかし、身体各部位はそれぞれ関連性があり、連動して活動したり、一方の組織・器官が別の組織・器官の活動をコントロールしたりというように、包括的な内容となっています。
そのため、単体の知識としてだけでなく、人間の身体全体の構造を体系的に理解する必要があります。
そこで、有効な勉強方法として、ノートを自作するというものがあります。
公式テキストはページ数も多く、重要な専門用語も多いため、テキスト内に書き込みをしたり、蛍光ペンで線を引いたりすると、非常に見づらいものになってしまいがちです。
また、こころ検定は全ての級において、試験本番は公式テキストの持ち込みは不可なので、せっかく大量に書き込みをしたテキストを見返すことはできません。
なので、テキストは綺麗なままにした上で、自分なりにテキストの内容を再構成するようにノートを自作するのがおすすめです。
ただし、自作したノートも試験本番では持ち込みをすることはできませんので、注意が必要です。
人間の記憶は「読んだことで覚えた記憶」・「書いたことで覚えた記憶」が別々の記憶として残されます。
そのため、公式テキストを読むだけでは「読んだことで覚えた記憶」しかない状態になってしまいます。
そこで、自分でノートを自作することで、公式テキストを読むことで確立された記憶に加えて、自分で書いたことによる記憶が合わさり、より鮮明に物事を記憶できるようになります。
この、ノートの自作という勉強方法は、こころ検定2級(メンタルケア心理士)やこころ検定1級(メンタルケア心理専門士)における解剖生理学だけでなく、こころ検定4級やこころ検定3級においても有効な勉強方法でもあります。
特に解剖生理学において有効な点は、身体各部位の機能や特徴を自分の言葉でまとめながら、他の組織・器官との関連をノートにまとめることで、より深く、より正確に理解することができるということが挙げられます。 

薬理学に関しては、解剖生理学における身体と薬の関係性についての基礎知識と、精神医学における向精神薬の分類・名称・効果に関する内容が公式テキストに掲載されています。
特に向精神薬の分類・名称・効果については、薬の種類が多いこと、名称が同じようなカタカナ表記のものが多いこと、薬剤の効果が多岐にわたることなど、正確に理解するのに苦労する要素が多いです。
そこで、暗記カードを使った勉強法が有効です。暗記カードは英単語の暗記などに使われるもので、コンビニや文房具店などで手軽に手に入るものです。
この暗記カードの表面に薬剤名、裏面に分類や効果を書き込みます。これで、表面を見て、裏面に書かれている事柄を正確に答える、もしくは、裏面の事柄を見て、表面の薬剤名を答えることができるようになるまで、繰り返しカードを見返すわけです。
この暗記カードを使った勉強法は、こころ検定4級やこころ検定3級の内容においても有効な勉強方法でもありますので、是非、活用してみていただければと思います。 

こころ検定受検勉強 その3(独学)は?

こころ検定は基本的に先生に教えてもらうという形式のものではなく、自分ひとりで勉強するという形式になります。
そのため、一人で公式テキストを読み込むことが基本となり、単調になりがちです。そこで、独学で勉強される方には、少し労力はかかりますが、自分で試験問題を作ってみるというテクニックがあります。
自分で公式テキストの中から問題文と選択肢を作り、自分で正解もしっかりと確認します。このように自作した試験問題を作成していき、しばらく時間をおいてから、自分で解いてみるという勉強法です。
これにより、公式テキストの内容を再構成して、より深い理解を促進すると同時に、模擬テストを実施できるという一石二鳥となるわけです。 

おすすめする受検勉強

こころ検定のおすすめの受検勉強の方法ですが、心理学の初学者から既に体系的に心理学を学んだ方にも共通するものがあります。それは、やはり王道である公式テキストの読み込みです。 

こころ検定には各級に公式テキストが存在しています。
全ての級で公式テキストに掲載されている内容からのみ、試験問題が出題されるというルールがあります。
こころ検定4級とこころ検定3級は、それぞれ公式テキストは1冊ずつ、こころ検定2級(メンタルケア心理士)は3冊、こころ検定1級(メンタルケア心理専門士)は2級の3冊に加えて、さらに5冊の合計8冊で構成されています。
まずは、新鮮な気持ちで公式テキストを一通り読むのが良いでしょう。
そして、2回目にしっかりと学習する・知識を身につけるという感覚で、全てのテキストをしっかりと読み込みます。
そして、3回目には、いよいよ試験対策を意識して、自分があまり覚えられていない部分や、頭の中で整理できていない部分を明確にし、苦手部分を克服していくために、改めて公式テキストを読み込みます。
これまでに、こころ検定に合格された方の多くが、このように公式テキストを少なくとも3回は読み込むようにしているということが分かっています。
これは合格への近道とはならないものの、このように公式テキストを読み込むことで、知識を定着させるのが、合格への王道ではないかと考えられます。 

こころ検定の受検と学習で学べる知識について

こころ検定は全部で4つの級で構成されています。
4級と3級は基礎心理学の内容を多く、基礎教養としての心理学を学ぶものとなっています。
従って、こころ検定4級とこころ検定3級は心理学の初学者向けといえるでしょう。
なお、こころ検定4級とこころ検定3級は便宜上、級の数字は異なるものの、こころ検定4級よりもこころ検定3級の方が難易度が高い、というようなことはありません。
ただし、こころ検定4級は「自分自身の心について理解を深める」というコンセプトであり、こころ検定3級は「自分自身の心を成長させる」というコンセプトという、コンセプトの違いがあります。 

こころ検定2級(メンタルケア心理士)とこころ検定1級(メンタルケア心理専門士)は、3級・4級よりも難易度が上がります。
そして、カリキュラム的にも基礎教養から、他者支援のための専門知識へとレベルが上がっています。こころ検定2級(メンタルケア心理士)とこころ検定1級(メンタルケア心理専門士)は心理カウンセラーを目指す人のための検定というニュアンスもあるので、自分自身の興味・関心という目的だけでなく、他者のメンタルヘルスを改善・回復させ、心理的な支援を実施するという目的が含まれてくるわけです。 

4級で学習心理学・認知心理学・生理心理学・知覚心理学・社会心理学・感情心理学という6つの基礎心理学と知能分野の合計7分野でカリキュラムが構成されています。
3級では、発達心理学・パーソナリティ心理学という2つの基礎心理学と教育心理学・健康心理学・検査学という3つの応用心理学の合計5分野でカリキュラムが構成されています。 

こころ検定2級(メンタルケア心理士)と1級は、心理カウンセラーとしての知識・技能を身につけるためのカリキュラムとなっています。
2級では基礎心理学の内容に加えて、臨床心理学(心理カウンセリング・心理療法)などの応用心理学、そして、精神医学や解剖生理学などの分野が含まれています。
1級では、2級と同じく基礎心理学の分野に加えて、産業・組織心理学、家族心理学、コミュニティ心理学などの応用心理学、そして、臨床心理学、精神医学などの分野が含まれています。 

では、それぞれの領域について、簡単に解説していきたいと思います。
学習心理学は行動や反応について研究する分野であり、新たな行動の獲得や問題行動への消去、行動療法などとの関連が深い分野です。
認知心理学は記憶・思考・判断・評価などの認知機能や情報処理機能について研究する分野です。
生理心理学は主に脳や神経とストレスの関係、睡眠などを中心に、身体と心の関係を研究する分野です。
知覚心理学は目(視覚)・耳(聴覚)・鼻(嗅覚)・舌(味覚)・皮膚(触覚)という5感に関する心理的過程を研究する分野です。
社会心理学は、個人ではなく集団の心理に関する分野で、集団意思決定・リーダーシップ・流言(うわさ)などについて研究しています。
感情心理学は人間の感情に関する分野で、表情と感情の関係やモチベーションなどについて研究しています。
発達心理学は人間の精神発達について、赤ちゃんから高齢者に至るまで人間の生涯全てを対象として研究する分野です。
パーソナリティ心理学は人間の性格を対象とする分野で、性格検査の開発や性格と感情や行動などについて研究しています。
心理統計学では、心理学に関する様々なデータについて、統計学的な分析を実施し、データ間の差に「科学的に意味があるか?」を検討しています。
臨床心理学では、心理カウンセリング・心理アセスメント・心理療法・メンタルヘルスについて研究する分野で、精神疾患の治療・支援・早期発見などに役立てられています。
健康心理学は、ストレスやメンタルヘルスについて研究する分野で、精神疾患の予防やストレスの軽減などに役立てられています。
産業・組織心理学は、仕事における採用・配属・評価・リーダーシップ・ストレスなどについて研究する分野で、組織マネジメントや職場環境改善、従業員のストレスチェック、健康経営などに役立てられています。
教育心理学は学校における授業の方法、テストの作成、成績評価などについて研究する分野で、学校などの教育機関での活動全般に役立てられています。
家族心理学は親子関係・夫婦関係などの家族の心理や精神的発達について研究する分野で、家族や家庭を良好に維持することに役立てられています。
学校心理学は教育心理学の応用的な分野であり、スクールカウンセラーの活動などに役立てられています。
経済心理学は人間の経済活動全般やお金が関わらない利益・損失などについて研究する分野で、消費者行動や企業経営などにおいて役立てられています。
犯罪心理学は犯罪行動の分析から、犯罪の予防や犯罪者の逮捕、法的な矯正などについて研究する分野で、犯罪という社会問題の改善・解決に役立てられています。
福祉心理学は介護福祉関連全般に関する心理的な要素を研究する分野で、介護福祉業界での活動に役立てられています。
コミュニティ心理学は心理学における他職種連携や地域コミュニティでの活動、コンサルテーションやコラボレーションについて研究する分野で、スクールカウンセラーの活動など心理専門職が他の専門職との円滑な連携に役立てられています。 

いかがだったでしょうか。こころ検定は各級で公式テキストが異なり、検定としての難易度も多少異なりますので、自分の状態と目標とする級に合わせて、適切な勉強法を選択していただければと思います。 


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部
「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

コラムの最近記事

  1. こころ検定(文部科学省後援)を独学で目指したとしたら 

  2. こころ検定(文部科学省後援)の難易度や合格率はどうなの? 

  3. アドラー心理学

  4. 生活の豊かさと心理学の関係

  5. 試験に出る心理学 

関連記事

PAGE TOP