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家族と心理学の関係 

現代社会において、より複雑で多様化している家族の構造や役割に対して、心理学では家族心理学の研究成果や家族療法による治療・支援などが活かされています。 

一般的に家族とは血縁あるいは、婚姻による親密な対人関係と定義されます。
しかし、現在では養子縁組や里親制度などもあり、必ずしも血縁や婚姻を前提としない家族関係も存在します。
また、事実婚・内縁関係や同性同士の関係など、法律的な制度範囲外であったとしても、対人関係上、とても親密であり、互い同士が「家族」と認めていれば、それは家族であると考えることができます。
そのため、10年以上前に開催された国際家族心理学会においても、家族は「本人同士・自分たちが家族であるということで了解し合っていること」と定義されています。
家族は国や地域、社会の影響を受けると同時に、時代背景の影響も強く受けるものです。
従って、家族の形は日本とアメリカでは異なり、また50年前の日本と2017年の現在の日本では大きく異なるのです。 

日本における「家族」

日本において、家族の持つ役割は大きな変貌を遂げています。
たとえば、父親や母親の役割として、子どもの養育や教育が挙げられます。
これを50年前の家族構造と役割分担と比較すると、現在はかなりの割合で、いわゆる外部委託が実施されています。
保育園や幼稚園に通う子どもは、50年前とは比べものにならないくらい増加しており、その分、それまで父母が担っていた養育や教育を保育士等が肩代わりしているということになります。
また、食事をする場所や時間が50年前であれば家族間でかなりの割合で共有されていたわけですが、現在は外食も多く、家族がいたとしても個別に食事をする、いわゆる孤食(個食)も増えています。

このように、衣食住や養育・教育の場としての家族・家庭というものが、時代が進むにつれて「外へ」と広がり、それに伴って父母の持つ役割や、親子の関係も変化しています。
また、かつては、子どもとは夫婦にとって「授かる」ものであり、夫婦間の選択や意思決定に左右される要素が希薄でした。
しかし、現在では夫婦にとって、子どもは「授かる」ものから「つくる」ものに変化しています。
そのため、たとえ結婚したとしても子どもは持たないという選択・意思決定をする夫婦も増えています。
逆に不妊治療や体外受精などの様々な手法を試みながら、絶対に子どもを持ちたいという選択・意思決定に基づいて行動している夫婦も存在します。
「授かる」という形式を主とするこれまでの家族形式における子どもとは、社会的な価値を持つものでした。それに対して「つくる」という形式を主とする家族形式における子どもは、夫や妻にとっても個人的な価値を持つものへと変わってきているのです。 

 一方で、時代を経ても変わらない家族の役割というものもあります。
それは、情緒的な安定性が得られる場としての機能や、外部環境でも通用するような親密な対人関係について学習する場としての機能です。
これらの機能は家族という構造に期待される役割であり、時代を経ても家族というものに対する期待感には、ある程度の不変性があると考えられます。
しかし、期待感は変わらずとも、期待通りの情緒安定性や親密な対人関係が得られなくなっています。
それは、家族の持つ役割が外部機関へと移行していることや、家族ではあっても個人の時間や空間を重要視していることが関係しています。
このように常に変化し、多様化・複雑化している家族について研究するのが家族心理学です。
家族心理学は、家族内の相互作用と影響を与える文脈・外的環境に焦点を当て、個人としてだけではなく、集団としての心理を捉えることを目的としています。
また、心理カウンセリングには家族療法というものがあり、家族をシステムとして捉え、問題のある個人のクライエントに家族の持つ機能がどのように影響しているかを検討し、治療・支援をするというものがあります。
多様化・複雑化は、けして悪いことではありません。しかし、そういった変化に誰もが即座に適応できるわけではないので、家族をより良いものにするために、家族心理学や家族療法が役立てられているのです。 


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部
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