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メンタルヘルスと神経伝達物質(1) 

メンタルヘルスと関連の深い神経伝達物質が多く存在しており、私たちの心身の健康にかかわりがあります。 

 私たちの心身の健康には脳や神経が重要な役割を果たしています。特に神経伝達物質やホルモンの濃度や分泌量は、私たちのメンタルヘルスにおいて非常に重要な役割を担っています。では、具体的にどのような効果や影響を及ぼしているのでしょうか。今回のコラムでは、いくつかの神経伝達物質やホルモンについて解説していきたいと思います。 

ドーパミン

 ドーパミンはカテコールアミン系の神経伝達物質の一種で、大脳基底核内の黒質とよばれる部分で生成され、線条体(尾状核・被殻)などへ情報を送るという機能を有しています。
身体に対する効果としては、末梢神経における血圧上昇と腎血流増加の作用があります。
また、ドーパミンは身体の協調運動の調節に関与していることから、パーキンソン病の原因となることもあります。
さらに、メンタルヘルスに関しては、脳の報酬系・感情・覚醒レベルなどの精神活動に関連しており、ドーパミンの分泌異常がうつ病や統合失調症の原因の1つであるという仮説があります。
特に統合失調症については、脳内のドーパミンが過剰な状態になることで思考の分裂、幻覚、妄想が発生することが確認されています。
そして、その問題を応用することで、クロルプロマジンやハロペリドールなどの向精神薬は脳のドーパミン受容体と強く結合して、ドーパミンの活性化を妨害するという性質を統合失調症の治療をすることができます。 

セロトニン

セロトニンは脳幹内の縫線核とよばれる部分でアミノ酸の一種であるトリプトファンから生成され、脳の活動全般や覚醒状態にかかわっています。
また、睡眠・ストレス・うつ病・パニック症・摂食障害とも関することが判明しています。
ただし、セロトニンは成人の体内では90% 近くが腸管に存在しており、残りの大部分は血小板と脳に存在しています。
様々な精神疾患の原因となるストレスとも関連の深いセロトニンですが、このセロトニンの分泌をコントロールすることで、精神疾患の治療・支援に活用することができます。
たとえば、アミトリプチリン・イミプラミン・トラゾドン・トリミプラミン・ミルタザピンなどの抗うつ薬はセロトニンに作用することで、抑うつ・不安・不眠などを改善することができます。
また、同じく抗うつ薬であるクロミプラミンは強迫観念、ベンラファキシンは社交不安・パニック発作・月経前不快気分・PTSDの治療・支援にも効果があります。
そして、抗うつ薬の中でも、セルトラリン・パロキセチン・フルボキサミンはセロトニンの再取り込みという機能を阻害することで、相対的にセロトニンの量を増加させるという作用があり、これにより、抑うつや強迫観念・社交不安・パニック発作・月経前不快気分・PTSDなどを改善することができます。 

γ-アミノ酪酸(GABA) 

γ-アミノ酪酸(GABA)は脳と脊髄で生成されており、脳のシナプスのうち3分の1程度がGABAを神経伝達物質として使用しているとされています。
特に脳内では、海馬・小脳・大脳基底核に存在しており、不安を鎮静化させたり、睡眠を促進したりする機能があり、代表的な抑制性の神経伝達物質となっています。 

γ-アミノ酪酸(GABA)は不安と不眠との関連が強いため、様々な抗不安薬と睡眠薬がγ-アミノ酪酸(GABA)をコントロールするものとなっています。
たとえば、アルプラゾラム・クロナゼパム・クロラゼプ酸・クロルジアゼポキシド・ジアゼパムなどの抗不安薬はγアミノ酪酸(GABA)への抑制作用を増強することで、緊張・不安・不眠・パニック発作・焦燥感などに効果があります。
また、エスゾピクロン・エスタゾラム・クアゼパム・ゾルピデム・トリアゾラム・フルラゼパムなどの代表的な睡眠薬はγアミノ酪酸(GABA)への抑制作用を増強し、不眠の各種症状の改善に効果を示します。 

 いかがだったでしょうか。このように神経伝達物質・ホルモンは様々な形で私たちの心身の健康を支えているのです。
神経伝達物質・ホルモンに興味・関心のある方は、こころ検定4級の第3章で概観していますので、勉強してみていただければと思います。 


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部
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