心理学の研究は一風変わった側面から物事を捉え、面白い結論を導き出しているものがあります。
心理学に関する研究は、私たち人間の“滑稽さ”や“上手く行かない歯がゆさ”についても、様々な角度から教えてくれます。
海外のお菓子メーカーであるクラフトフーズ社は、子どもが好きなお菓子にはどのような特徴があるのかについて、大規模なマーケティング調査を実施しました。
その結果、一見すると美味しそうには見えない「派手な青い色」のお菓子を子どもたちが非常に好んでいることが判明しました。
このようなマーケティング調査は、実は人間の心理的な要素を検討する手法として有効であり、この結果に基づいて、より多くの人が好み、購入してくれる商品・サービスを開発することができます。
このマーケティング調査でも、味や価格の他に「色」が重要な要素であることが判明したわけです。
そして、逆に大人は「派手な青い色」の食品を好まないことも判明しました。
では、子どもはなぜ、一見すると気持ちが悪い色のお菓子を好むのでしょうか。
より具体的なリサーチの結果、子どもは“大人の反応”も込みで、お菓子を選んでいるということが分かりました。
お菓子を実際に買うのは子どもの親であることが多いです。
そのため、親は自分が食べることはないものの、お菓子の見た目を確認することになります。
すると、親は“なんだ、この気持ちの悪い色のお菓子は”と思い、顔をしかめたり、子どもに対して“本当にこんなお菓子を食べたいのか?”を確認したりします。
こういった親の反応を子どもは楽しい・面白いと感じるため、親の反応を見たいがために、あえて気持ち悪い色のお菓子を選んでいるということなのです。
実際に派手な青い色のゼリー菓子を開発して販売したところ、子どもたちの間で大人気となり、爆発的なヒットとなりました。
そして、このような食品用の様々な色のコロイドを開発したイベッタ・バッサは、この分野で非常に有名になりました。
その後も、本来では用途がないような“食べ物としてあり得ないような色”のコロイドを沢山開発しました。
この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部
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