キュートな日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
【目次】
日本では、1年365日のすべてに何らかの記念日が制定されています。9月23日頃の「秋分の日」もその一つで、1948年に公布・施行された「国民の祝日に関する法律」(祝日法)によって定められた国民の祝日です。秋分の日は秋の彼岸の中日にあたることから、「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨としています。
秋分は二十四節気の一つで、例年9月22日~23日頃にあたります。昼と夜の長さが等しくなる日とされていますが、実際には昼の方がわずかに長くなります。秋分の日を中日とし、その前後3日間を合わせた7日間が秋の彼岸です。この時期には墓参りをする人が多く見られます。また、太陽が真東から昇って真西に沈むことから、東にある現世(此岸)と西にある仏の世界(彼岸)が最も近くなる特別な日ともいわれています。
なお、戦前の旧祝祭日では、この日は大祭日の一つである「秋季皇霊祭」でした。祝祭日としては1947年に廃止されましたが、秋季皇霊祭は現在も宮中祭祀の一つとして続いています。歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祭る儀式として、春分の日の春季皇霊祭とともに宮中で執り行われています。
また、従来9月15日だった敬老の日は、いわゆる「ハッピーマンデー制度」による祝日法の改正により、2003年から9月の第3月曜日に変更されました。
これにより、土曜日・日曜日・敬老の日・秋分の日で4連休となる年があります。さらに、敬老の日と秋分の日に挟まれた平日は祝日法の規定により「国民の休日」となるため、5連休になる年もあります。この連休は、春の大型連休であるゴールデンウィークに対して、「シルバーウィーク」や「秋の大型連休」と呼ばれています。毎年必ず連休になるわけではないという希少性から、「プラチナウィーク」「白金週間」と呼ばれることもあります。
では、秋と心理学にはどのような関係があるのでしょうか。
秋という季節に起こる最大の変化は、日照量の減少です。秋分を過ぎると、北半球では日照時間が急速に短くなっていきます。心理学・神経科学では、この変化が最も重要な要素と考えられています。
太陽光は、単に周囲を明るくするだけではありません。脳において体内時計の調節、覚醒レベル、感情、集中力、睡眠、ホルモン分泌などを制御する、最も重要な環境刺激です。これを「ツァイトゲーバー(Zeitgeber:同調因子、時刻合わせの刺激)」といいます。
では、日照量が減少すると、具体的に私たちの体の中では何が起きるのでしょうか。まず、朝の光が弱くなることで、脳の視床下部にある視交叉上核(体内時計の中枢)が受ける刺激が弱まります。その結果、起きにくい、朝ぼんやりする、活動の開始が遅れる、夜に眠くなる時刻が変わる、といった変化が起こりやすくなります。つまり秋は、体内時計が「冬モード」へ移行する時期ともいえます。
また、秋は日が暮れるのが早くなるため、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌開始も早まります。そのため、眠気や倦怠感、活動量の低下を感じる人が多くなります。ただし、これは病気ではなく、人間に本来備わっている季節への適応反応です。
日光は、幸福感や意欲に関わるセロトニン神経の働きにも影響します。日照が減るとセロトニンの活動が低下しやすくなります。
その結果、気分が沈みやすい、やる気が出ない、集中力が落ちるといった状態が生じやすくなります。ただし、こうした影響の程度には大きな個人差があることが、近年の研究で示されています。
さらに秋は、季節性感情障害(SAD:Seasonal Affective Disorder)が始まりやすい時期でもあります。典型的には、秋から冬にかけて次のような症状が現れ、春になると改善していきます。
•抑うつ気分
•疲労感
•過眠
•食欲の増加(特に甘い物や炭水化物への欲求)
•集中力の低下
季節性感情障害は誰にでも起こるわけではありません。しかし、気分障害の素因がある人や高緯度地域に住む人では、リスクが高くなることが知られています。
このように心理学では、秋という季節についてもさまざまな角度から研究が行われています。
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