雑誌広告の日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
【目次】
雑誌を読むとき、読者は広告を1つ1つ丁寧に読んでいるわけではありません。記事を読み進める途中で、広告の写真や人物の顔、商品の画像、特徴的なデザインなどが自然と視界に入ってきます。そのため、雑誌広告に関する心理学的研究では、まず「そもそも広告が見られるのか」という視覚的注意が重要になります。
眼球運動を測定した研究では、広告の中でも写真やブランド部分への注視が、ブランドの記憶と関連することが示されています。一方で、広告の文章を長く見れば、それだけブランドの記憶が強くなるとは限らないこともわかっています。
広告研究において、注意と記憶は互いに関連するものの、完全に同じものではないと位置づけられています。たとえば、非常に奇抜な広告を見た場合、「すごく変わった広告だったな」という記憶は残っても、「どこの会社の商品だったっけ?」となってしまうことがあります。このように、広告そのものは覚えていても、ブランドは覚えていないという現象が起こることがあります。
そこで、雑誌広告の心理学的研究では、まず注意が喚起され、その注意がブランドに向かい、さらに広告のメッセージの理解が進むことで、はじめて記憶が定着していく、という流れで考えることが重要になります。実際に、印刷広告の研究では、最初に広告へ注意が向くことが、その後にブランドや広告メッセージが認識されるための重要な条件であることが示されています。
WHO(世界保健機関)は、都市化がうつ病や不安、その他のメンタルヘルス不調と関連していることを指摘しています。一方で、都市化には経済的・社会的なメリットもあり、適切に計画された都市環境は健康を促進できるとされています。つまり、都市化にはリスク要因と保護要因の両方があるということです。
特に重要なのは、都市生活が人間の心理に影響を及ぼす経路です。具体的には、都市環境の変化が慢性的な環境ストレスを生み、それがストレス反応や睡眠、感情調節に影響し、最終的にメンタルヘルス不調につながるという経路が想定されています。ただし、この影響はすべての人に同じように作用するわけではありません。所得や住環境、年齢、社会的支援、既往症などによって、影響の大きさは大きく異なると考えられます。
都市で暮らす人々は、本人が意識していなくても大量の刺激にさらされています。たとえば、自動車や電車、工事などの騒音、人混み、看板や広告などの視覚刺激、交通への注意、大気汚染、暑さ、混雑した公共交通機関、長時間の通勤、人間関係の希薄化、経済的な競争などが挙げられます。これらは1つ1つは小さなストレスであっても、長期間にわたって蓄積することで、心理的な回復を妨げる慢性的な環境負荷となる可能性があります。都市環境とメンタルヘルスを扱った近年の精神医学研究においても、人口密度、社会的分断、騒音、汚染、緑地の不足などが、都市生活における精神的健康のリスク要因として挙げられています。
雑誌広告の大きな特徴は、視覚情報が非常に豊富であることです。商品の写真、人物、風景、建物、料理、化粧品、自動車など、さまざまな画像が使われます。雑誌を読むという自然な状況を再現した研究では、広告のデザイン要素のうち、一般に画像的な要素のほうが文章的な要素よりも、注視時間・注視回数ともに多くなることが示されています。
人間の視覚系は、文章だけでなく、顔、身体、動き、色、コントラスト、空間的に目立つ対象などの情報を非常にすばやく処理します。そのため、雑誌をパラパラとめくっているだけでも、「人の顔」「赤い商品」「大きな料理の写真」などが目に入ってきます。そして、その瞬間に、広告に対する最初の注意が生じるのです。
広告に人物が登場することには、心理学的な根拠があります。人間は他者の顔に非常に敏感です。そのため、化粧品、ファッション、食品、旅行、自動車など、さまざまな商品の広告で人物写真が使われています。
ただし、単に顔を入れればよいというわけではなく、人物の視線の方向も重要になります。広告研究では、人物が読者を直接見ている場合と、別の方向を見ている場合とでは、読者の注意の向き方が変わることが示されています。たとえば、広告の中の人物が商品を見ている構図では、読者もその視線につられて商品を見る可能性があります。実際に、人物が読者と直接目を合わせる条件よりも、視線を別の方向へ向けた条件のほうが、広告全体や商品、文章への注意と記憶を高める場合があることが示されています。広告を見る人の心の中では、まず人物を見て、次にその人物の視線を追い、その視線の先にある商品を見る、という注意の連鎖が起こっている可能性があるのです。
このように、心理学では雑誌広告についても、さまざまな角度から研究が行われています。
この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部 「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。