円満離婚の日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
【目次】
・まとめ
日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。2月29日は「円満離婚の日」に制定されています。これは離婚式のプランナーである寺井広樹氏が制定したものです。
日付の由来は1年で離婚の件数が最も多いとされる3月の前日であり、4年に1度のみ巡ってくる閏日であり、さらには「2人に福(29)あれ」という語呂合わせなどからきています。この日は夫婦の絆や結婚・離婚の本質や夫婦関係などを改めて考えることを目的としています。ちなみに離婚式とは、これから離婚する夫婦または既に離婚した旧郎・旧婦を対象にしたサービスであり、家族や友人の前で再出発の決意を誓い合う前向きなセレモニーでとなっています。
では、離婚と心理学には、どのような関係があるのでしょうか。
離婚でイメージされるのはネガティブな部分、メンタルヘルスにおいても良くない部分やストレスになるかと思います。現代社会において生活上の何らかの変化は日常的であり、またその変化に適切な対応をしようと試みるのも日常的なことではあります。このような変化と変化への適応により発生するのがストレスであり、人生の様々な場面で経験することになるものです。この観点から心理学者のトーマス・ホームズとリチャード・レイは様々なライフイベントとストレスの関係について調査しています。ホームズとレイは様々なライフイベントがストレッサーとなり、心身の疾患のリスクを高めると述べています。ホームズとレイはライフイベントのストレス度が大きなものから順に並べたリストを作成しており、その中で離婚についても取り上げています。
この中で離婚は数あるライフイベントにおいて、配偶者との死別に次ぐ、高ストレスな人生上の出来事の第2位となっています。これは、離婚というものが多重的な喪失を発生させることが原因であると考えられます。たとえば、パートナーを失うことが主となるものの、合わせて住居や経済的安定性、友人関係、自分のアイデンティティを同時に失うことになるため、その分、ストレスも大きくなりやすいものであると考えられます。また、離婚成立前の葛藤や法的な手続きの労力、生活環境の変化など長期間にわたって強い緊張状態が続くことにより、抑うつ状態や不安障害のリスクを高めることも大きく影響すると考えられます。
発達心理学における愛着の理論の観点からは、離婚は安全基地の喪失として捉えることができます。配偶者は成人にとっての安全基地の1つであると考えられています。そのため、離婚による安全基地の喪失はストレスとなり、メンタルヘルスにも悪影響を及ぼすと考えられます。そして、愛着という観点から離婚には分離不安という側面もあると考えられます。離婚に至る状況では配偶者間の対人関係は悪化している可能性が高いです。しかし、愛着の対象との絆が断たれることで、強い不安やパニック、孤独感を感じてしまうことになります。さらには、自分は愛される価値がないのではないか、人生に失敗したというような認知の歪みが生じることも多く、メンタルヘルスを悪化させる要因となります。
健康心理学の観点において、死の受容の5段階プロセスというものがあります。離婚は史別ではありませんが、ある種の悲嘆(グリーフ)の状態であるという意味では共通しています。そのため、死の受容のプロセスの「離婚バージョン」としての心理的な変化が起きることがあります。第1段階は否認であり、これは離婚という現実を受け入れられず、感情の発露が極端に減少する状態です。続いて、第2段階は怒りであり、相手や自分、環境に対して激しい怒りを感じることになります。第3段階は抑うつであり、深い悲しみに襲われ、無気力になります。そして、第4段階は受容であり、離婚という現実を受け入れ、新しい生活に向けて歩み出すことになります。そして、このプロセスを一方通行に進んでいくのではなく、行ったり来たりすることが多いとされています。
このように、離婚が及ぼす影響について、心理学では様々な角度から研究が実施されているのです。

この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部 「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。