<2023年6月8日 こころ検定-心理学で役立ちコラム-の再掲>
【目次】
この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部 「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
心理学の中でも、特に社会心理学において、ゲーム理論というものが研究されています。 ゲーム理論とは、2人の人間の間で何らかの利益や損失が発生する状況において、人間同士がいかに協力するのは、もしくは競争するのか、ということを研究対象としたものです。 ゲーム理論には、経済学的な要素もあり、社会学的な要素もあり、数学的に検討したものもあるため、非常に学際的なものとなっています。
そもそも、協力と競争という概念は社会心理学で、どのように研究されているのでしょうか。 集団あるいは社会において、個人は行為は互いに影響を与えあっており、人間は相互依存関係にあるといえます。 現実の多様な相互依存関係には、個人に利益をもたらす行為であると同時に、他者にも利益をもたらす状況もあれば、他者の利益を損なう状況もあります。 心理学者のドイッチュは前者を協力的事態、後者を競争的事態とよび、これら状況で、集団生産性・成員間の関係・個人の状態がどう違うかを検討しました。 また、心理学者のペピトーンは、子どもを対象に発達的観点から「協力 = 競争」事態の影響を研究しています。これらの研究が心理学的な人間の協力と競争に関する科学的な研究のはじまりです。 人間の相互関係は協力か競争の2つに1つではありません。 協力することも競争することも可能であり、曖昧な状況の存在があることも判明しています。
たとえば、囚人のジレンマとよばれるゲーム事態がその代表例です。 囚人のジレンマゲームにおける心理的過程は、個人から国家間にまでわたる多様な「協力 = 競争」場面のモデルであるとされています。 そして、この囚人のジレンマを含む、協力と競争の関係性を総称してゲーム事態、もしくはゲーム理論とよんでいます。具体的には、以下のような状況が一般的なゲーム理論の例です。
このような状況において、果たして2人は協力するのか、競争するのかというのが人間の心理と社会的な影響とによって成立していると考えられるのです。
ゲーム理論などの社会心理学における様々な理論については、こころ検定4級の第5章で概観していますので、興味・関心のある方は、是非、勉強してみていただければと思います。
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