ひとみの日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
【目次】
・まとめ
日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。1月3日は「ひとみの日」に制定されています。これは眼鏡・コンタクトレンズの業界が制定したものであり、日付は「ひと(1)み(3)」の語呂合わせからきています。この日は瞳をいつまでも美しく保つことが目的となっています。また、関連する記念日として、10月1日は「メガネの日」、10月10日は「目の愛護デー」、10月1日~10日は「目とメガネの旬間」、10月1日~31日は「目の愛護月間」などがあります。
では、目と心理学には、どのような関係があるのでしょうか。
たとえば、滝錯視とは流れ落ちる滝をしばらく見ていた後、視線を他へ移動させると周りの景色がゆっくりと上昇していくように見える現象です。また、月の錯視というものがあります。月は地球から約38万kmの距離にありますが、地平線の月は天頂の月よりも平均して15~30% ほど大きく見えるという現象です。月の錯視を説明するものとして、生理学的説明・見えの距離説・大きさの対比説などの諸説があります。生理学的説明では眼球・頭部・胴体の位置のようなものが影響することが考えられます。見えの距離説では地平線の月は天頂の月よりも遠くに見えるので錯視が生じるというものです。大きさの対比説では天頂の月はその背景である空との間で著しい大きさの対比が生じるため、その結果、月は縮んで見えるのに対して、地平線近くの空の大きさは視野の約半分にしか過ぎないため、空による月への対比効果は弱く、天頂の月ほどには縮まないというものです。
錯視にはゲルプ効果というものもあります。これは半分くらいの暗さの部屋でスポットライトにより局部的に強く照明された黒い円盤が照明の照度に応じて、まるで暗い室内にある白い円盤に見えるという対比現象のことです。しかし、その円盤上に白い紙片を置くと、円盤は突然、黒く見えるようになり、紙片は白のままに見えるようになります。さらに、この白い紙片を円盤の周辺部よりも中心に置くと、より鮮明な錯視効果が起きることが判明しています。これは呈示される紙片の反射率や面積によって規定されますが、極端に小さな紙片でも生じるとされています。
錯視図形の中でも特に有名なのがミューラー・リヤ―の錯視図形です。これはドイツの心理学者であるミュラー – リヤーが19世紀末に発見した幾何学的錯視図形群の総称です。これは、主線の見かけの長さが矢羽や斜線を付加することによって変化する錯視です。なお、この錯視図形による錯視量を測定・分析するという実験は様々な大学の心理学科で2年生の必修科目である心理学基礎実験で実施されることが多いです。
これまで解説してきた錯視は基本的にどんな人にも発生する現象です。そのため、大学の基礎実験の授業でも採用されています。まだ、心理学の実験やデータ分析をはじめたばかりの大学生にとって、どんな結果が出るか分からない実験ではレポート書いたり、結果の解釈をするのが難しいという問題があります。そこで、誰が実施しても、誰のデータを収集しても、基本的には同じ結果が出る可能性が高い錯視図形の錯視量の実験が実施されることが多いわけです。
しかし、場合によっては錯視に個人差が発生するケースがあり、これはカーペンタード・ワールド仮説とよばれています。これは幾何学的錯視において、文化的・社会的要因が影響しているという仮説です。たとえば、直線や四辺形で構成される西洋的建築環境(人工的環境)で育った人とそうでない人ではミュラー – リヤー錯視図形における錯視量に差が生じるというものです。ただし、錯視量に違いが生じるだけであり、錯視そのものが発生しないということはありません。
錯視や様々な感覚における錯覚については、こころ検定4級の第4章で概観していますので、興味・関心のある方は、是非、勉強してみていただければと思います。

この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部 「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。