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国際非暴力デーと心理学の関係

2025.10.9
  • 心理学

クチコミの日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか

【目次】

10月2日は「国際非暴力デー」

心理学から見る暴力とは

校内暴力と家庭内暴力について

まとめ

 

10月2日は「国際非暴力デー」

日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。102日は「国際非暴力デー」に制定されています。これは20076月の国連総会で制定された国際デーの一つであり、英語表記は「International Day of Non-Violence」となっています。日付の由来はインド独立運動の指導者であり、非暴力を説いたマハトマ・ガンディーの誕生日が102日であることがきっかけとなっています。また、この日はインドでは「ガンディー記念日」という国民の祝日になっています。記念日の由来となっているマハトマ・ガンディーはインド出身の弁護士・宗教家・政治指導者です。南アフリカで弁護士をする傍らで公民権運動に参加し、帰国後はインドのイギリスからの独立運動を指揮しました。独立運動の際に民衆暴動やゲリラ戦などの形式をとらず非暴力・不服従を提唱しています。ガンディーの思想はインド独立の原動力となり、政治思想として植民地解放運動や人権運動の領域において平和主義的手法として世界中に大きな影響を与えています。

国際非暴力デーは教育や国民意識を高める運動を通して非暴力のメッセージを広めることを目的としています。また、非暴力の原則の普遍的意義および平和、寛容、理解および非暴力の文化を実現する意思を再確認する日であると定義されており、毎年、この日には国連事務総長により声明が発表されています。

では、非暴力の反対の概念である暴力などと、心理学にはどのような関係があるのでしょうか。

 

心理学から見る暴力とは

心理学において暴力とは殺人や強襲などの個人や特定集団に対する心理的・身体的加害と定義されています。ポイントとなるのは、身体的加害だけではなく、心理的な加害も暴力であるという部分です。また、個人の所有物や集団あるいは社会の共有物に対する加害も暴力の中に含まれるとされています。暴力が発生する背景には家族のサポートの欠如、家族の暴力歴、仲間の暴力行動のパターン、職業の不安定さ、アルコールの作用、加害者にとって都合のよい標的人物の存在、凶器の所持、社会の暴力的風潮など多様な要素が関係しています。なお、暴力の被害者が被害経験を開示せずにそれを抑圧している場合、二次的な心身の健康被害を生む可能性があります。

一般的に暴力そのものに関する研究は攻撃(攻撃性)に関する研究と併行する形で社会心理学や犯罪心理学の分野で進められています。一方で少しミニマムな環境におけるものとして、校内暴力と家庭内暴力(DV)があります。

校内暴力と家庭内暴力について

校内暴力とは学校内において中学生や高校生が教師に向かって攻撃行動(言語的暴力・身体的暴力)を行うパターン、生徒がグループを形成し、グループ間での攻撃行動(喧嘩・威嚇・暴力等)を行うパターン、学校施設等に対する破壊行動を行うパターンの3つに大別されます。校内暴力の原因として、教師や学校の権威に対する反発、過酷な受験勉強や高いハードルの成績評価設定、核家族化、児童・生徒の抱える欲求不満、自己顕示欲求の発動の一環としての行動、仲間集団内における同調行動、テレビの暴力シーンの影響などが挙げられます。校内暴力の背後にある心理的要因として、自己顕示欲求と注目喚起欲求が代表的なものとして挙げられます。たとえば、普段は学校内では内気で目立たない児童・生徒が暴力行動を実施するのは自己顕示欲求や注意喚起欲求の発動であると考えらます。

家庭内暴力(DV)は主に青少年の子どもから親(母親であることが多い)への暴力を示すことが当初は多かった。子どもから親への家庭内暴力は純型(学校では問題なく、家庭内では家財や家族に乱暴の限りを尽くす)と準純型・登校拒否型(登校せず、特に親からの登校刺激に対して激しい暴力を繰り返す)、準純型・混合型(登校拒否に金銭持ちだし、無断外泊など軽度の非行傾向が加わったもの)とに分類されます。暴力は子どもから親(特に母親)への甘えの不適切な表現であるとも考えられており、これに子どもに責任を感じすぎる母親の我慢とが相まって悪循環を引き起こすとされています。さらに世間体が家族の問題解決を遅らせてしまうこともあります。そこで、状況の緊急度に応じた具体的で柔軟な家族介入が必要であるとされています。そして、現在は子どもから親への家庭内暴力だけでなく、夫婦間、特に夫から妻への暴力や親から子どもへの暴力(虐待)などについても、大きな社会問題となっています。

 

まとめ

このように、心理学では暴力について様々な角度から研究が進められています。


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この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部 「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。