コラム

活用

ことばの日と心理学の関係

2025.5.15
  • こころ検定4級
  • 言語心理学

ことばの日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか

【目次】

5月18日は「ことばの日」

言語心理学と言語学者チョムスキーの生成文法について

まとめ

 

5月18日は「ことばの日」

日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。5月18日は「ことばの日」に制定されています。これは、「横浜みなとみらいBUKATSUDO連続講座 言葉の企画2019」の企画生らが制定したものであるとされています。日付の由来は「こ(5)と(10)ば(8)」と読む語呂合わせからであり、言葉について考え、言葉を正しく使えるように心がけることを目的としています。あえて、ひらがなで「ことばの日」と表記されているのは、手話や点字など広い意味での「ことば」を知ってもらいたいという意図があります。

また、ソクラテスは国が認める神を認めようとせず、新しい神を導き入れて、人々を腐敗させる者として告発され、死刑判決が下されてしまいました。ソクラテスの弟子たちは脱獄を勧めたものの「悪法も法である」と言って聞き入れず毒を飲んだとされています。ソクラテスは自身の知への愛(フィロソフィア)と「単に生きるのではなく、善く生きる」意志を貫き、判決に反して亡命するという不正を行うよりも、死を恐れずに殉ずる道を選んだとされています。

では、言葉と心理学には、どのような関係があるのでしょうか。

 

言語心理学と言語学者チョムスキーの生成文法について

心理学の一分野に言語心理学というものがあります。言語心理学は言語学と心理学の用を合わせ持つもので、言葉やコミュニケーションを心理学的に研究する分野です。1950年代にアメリカの言語学者であるチョムスキーが生成文法というものと提唱しました。文を「生成する」とは「定義する」という意味であり、チョムスキーは「言葉の新たな捉え方」を提唱したともいえるでしょう。それまでの伝統文法とよばれる従来の文法は、文の実例を挙げ、それに注釈を加えることにより、読者の判断に頼って類似の文の文法性を類推させるということをしてきました。しかし、生成文法は、明示的な規則や原理により、文法的な文と非文法的な文を原理的に区別するものとしています。生成文法には、達成すべき記述能力と説明力が必要な条件として設定されています。

まず、ある言語の語彙からなる任意の文字列について、文法が適格文かどうか定義できる場合、その文法は「観察的妥当性」を備えた文法であるとされます。次に、ある言語の適格文を定義するだけではなく、それらの文に母語話者の直感に合致した音声や構造や意味関係を与えることができる場合、その文法は「記述的妥当性」を備えた文法ということになります。さらに、可能な文法の集合を定義する言語理論が、十分な制約を備え、個別言語の文法として記述的妥当性をもつ文法を選択できる場合、その理論は「説明的妥当性」を備えているとされます。生成文法の誕生は「認知革命」ともよばれる、大きなムーヴメントとなりました。

チョムスキーは、言語はそれを話す(母語)話者の心・脳の中にあると考え、人間がもつ言語能力を言語学の研究対象にすべきだと主張しました。これ以降、心理学的なアプローチを取る言語研究という意味で「心理言語学」という言い方が主流となっていきました。ただし、チョムスキー自身は言語学は心理学(認知心理学)の下位部門であると言明していることもあり「言語心理学」という名称の方が適切であるという考えもあります。また、言語心理学(psycholinguistics)という英語の名称が広く使用されるようになったのは、1951年にアメリカのコーネル大学で開かれた言語心理学に関する夏期講座以降がきっかけであるとされています。

さらに、この霊魂論(心理学)の中に生化学的概念が取り入れられるようになっていきました。しかし、最終的には近代科学思想を特色づける機械的原理へと取って代わられていきました。ここで、心理学は古代ギリシャのものから、近代ヨーロッパのものへとなっていきます。その際、哲学者のデカルトによって「人間の精神は思惟をその本質とする実体として、延長をその本質とする物体のカテゴリーに含められる身体と峻別され、身体とは連続的な因果の鎖でつなぐことのできない別枠の認識対象として留保される」という近代的な物心二元論が展開されました。

 

まとめ

言語心理学では、子どもはどのようにして言語を習得するのかという言語獲得に関する研究が基本として存在します。これは、どのようにして言語は失われていくのかという「言語喪失」の問題と表裏一体であると考えられており、言語障害・失語症と密接に関係しています。次に、人間はどのようにして言語を使用するのかという言語運用に関する研究があります。これは人間がどのようにして相手が言った言葉を理解するのかという「言語理解」と人間はどのようにして相手に発する言葉を作り出していくのかという「言語産出」の2つの問題に分けて考えることができます。さらに、言語の習得や使用を可能にしている言語能力の生物学的基盤に関する研究もあります。この研究分野は、最近では神経言語学とよばれ、多くの研究が実施されています。また、これら以外にも言語知覚や第二言語習得、バイリンガリズムなど多くの研究分野が言語心理学の中には存在しています。

このように、心理学において、言葉についても様々な角度から研究が実施されています。


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この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部 「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。