コラム

活用

インターネットと心理学の関係

2024.8.22
  • 交感神経・副交感神経
  • メンタル

インターネットと心理学には、どのような関係があるのでしょうか

【目次】

8月6日は「World Wide Webの日」

スマホ依存とは

スマホ依存とメンタルヘルスについて

まとめ

 

8月6日は「World Wide Webの日」

日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。8月6日は「World Wide Webの日」に制定されています。これは、1991年8月6日に計算機科学者のティム・バーナーズ=リーが、自身が開発したWorld Wide Web(WWW)に関する情報をインターネット上に公開したことが由来です。World Wide Web(WWW)の開発者であるティムはCERN(セルン:欧州原子核研究機構)という世界的に有名なスイスにある研究機関に在籍していました。開設した世界初のWebサイトは「http://info.cern.ch」というURLでした。「ch」はスイスのドメインで、これは公用語での「スイス」(ドイツ語:die Schweiz・フランス語:Suisse・イタリア語:Svizzera・ロマンシュ語:Svizra) ではなく、ラテン語の「Confœderatio Helvetica」(ヘルヴェティア(スイス)人の連合)からとられたものです。

では、インターネットと心理学には、どのような関係があるのでしょうか。現在、インターネットを利用するツールとして、スマートフォンがそのシャアを大きく広げています。パソコンは持っていないが、スマホは持っているという人も多く、オンライン・マーケティングやウェブデザインなども「スマホで見ている人が多い」という観点から進められています。しかし、このように普及しているスマートフォンですが、思わぬ形で、メンタルヘルスに悪影響を及ぼしていることが判明しています。これは、いわゆる「スマホ依存」というものです。

 

スマホ依存とは

スマホ依存の“依存”という言葉には聞き覚えがあるという方も多いのではないでしょうか。そもそも、依存症とは、アルコールや他の嗜好性のある物質を習慣的に使用してしまう行動のことです。そして、使用を中断すると、離脱症状とよばれる身体的苦痛や自律神経の問題などの症状が発生します。また、長期の依存状態は対象物の使用量や利用時間を増加させてしまうという問題もあります。

スマホ依存の問題で最もよく耳にするのは不眠に関する問題です。これは交感神経の活性化(興奮)による自律神経の異常という観点から説明することができます。スマートフォンの画面を見ることで、目から光刺激が視神経を通じて、脳に送られます。私たちの脳は目からの刺激を知覚することで、外界の変化に瞬時に対応することができます。逆に目をつぶって何も見ていない状態では、視覚的に外界に変化が起きていないという認識になるので、交感神経は活性化しません。私たちが夜、ぐっすりと眠れるのは、部屋を暗くして目をつぶることで光刺激を遮断し、交感神経を抑制し、逆に副交感神経を活性化することで、リラックスすることができるからです。しかし、スマートフォンの画面を見ることで、目から光刺激が供給され続け、交感神経が活性化されて眠れなくなってしまいます。さらに、悪循環として、スマートフォンの画面を見る⇒目が冴える⇒眠れない⇒眠れないからスマートフォンを操作する⇒より目が冴えて眠れなくなる⇒気づくと朝になってしまっている、というような問題の連鎖が起こり、影響が拡大・深刻化することもあります。

 

スマホ依存とメンタルヘルスについ

また、最近、オンライン・カウンセリングも注目を集めています。パソコンやスマートフォンで手軽に悩みを相談できるのは非常に便利なことであり、メンタルへルスの維持・向上にも貢献すると考えられます。特にインターネットの発展の中でも、SNSの発展には目覚ましいものがあります。なかでも、LINEなどのチャット・ツールは、メールよりも便利であるため、広く普及しています。中高生などに至っては、既に電話やメールを使うことがほとんどなく、インターネットやスマートフォンによるコミュニケーションでは、圧倒的にLINEが主流になっているという調査結果も出ています。使い慣れていない電話やメールで、初対面のカウンセラーに悩みを打ち明けるのは非常にハードルが高いですが、いつも使っているLINEならカウンセリングのハードルも下がり、コミュニケーションも円滑に進みます。LINEはスマートフォンで手軽に実施できるものであり、非常に利便性が高いといえるでしょう。

LINEのメリットは、その即時性の高さであり、オンライン・カウンセリングの方法の中では、ほぼ電話と同じレベルです。メールの場合、文章作成・送信・受信・開封という順序を経て、内容確認と返信ができますが、LINEはこの一連の流れが瞬時に行われます。「既読」も明示されるので、文字だけでスピーディーなやり取りができます。また、LINEもメールと同様にクライエントが悩みや考えを文章化することによる「頭の整理整頓」の効果、それに伴うストレス軽減・メンタルケアの効果があるのも重要なメリットです。

 

まとめ

このように、インターネットは心理学的な観点から問題点もありつつ、メンタルへルスケアにも役立てられているのです。


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころ検定おもしろコラム編集部 「おもしろコラム」は、心理学の能力を測る検定試験である「こころ検定」が運営するメディアです。心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、検定に興味がある、学んでみたい人のために、心理学を考えるうえで役立つ情報をお届けしています。